グローバル経営(実践編4)FSを作成する


FSの目的

 海外展開の際に作成するFS(フィージビリティ・スタディ)の目的は、(1)市場参入が可能かどうか(規制の問題)、(2)市場性があるかどうか(市場・競争環境)、(3)事業を展開する環境・インフラ構築が可能かどうか(経済・社会・技術要因)、といった観点から事業環境の調査を行い、最終的に利益を出し、投資を回収することが可能かどうかの見極めを行うものです。

国毎の違いを理解する

 国内での事業展開とは異なる環境で事業を行うため、国毎に異なる事業環境についても調査・検討する必要があります。グローバル経営で著名なパンカジュ・ゲマワット教授(INSEADビジネススクール)は、グローバル経営において国毎の特性を理解するためにCAGEフレームワークというものを提唱しています。文化的(Cultural)、政治的(Administrative)、地理的(Geographical)、経済的(Economical)な違いを分析するというもので、FSを作成する際にも、これらの項目を漏れのないように調査することが重要です。

FSで網羅すべき調査項目

 上記の点を考慮し、以下の項目を中心に検討を進めます。国毎の一般的な投資環境については、JETRO等の公的機関のHPなどで予備的調査を行うことが可能です。一方で、自社の具体的な製品・サービスの市場性については、現地での調査が重要になります。取引先、商社やパートナー企業が現地事情に詳しい場合には、そこから情報を得ることも可能でしょうし、現地に進出している金融機関やコンサルティング会社等から情報を得るということもあります。

(1)市場参入可能かどうか

   出資規制、出店規制、業種ごとの参入規制などを調査します。    特に途上国では、自国産業保護のための各種規制を設けていることがありますので要注意です。

(2)市場性があるか    市場規模、成長性、顧客特性、競合の状況などについての調査を行い、市場性があるかどうかの判断材料を

   求めます。     

(3)事業を展開する環境・インフラ構築が可能かどうか    通信、物流、電力等のインフラが日本とはかなり異なる場合があります。また、資材調達が現地で可能な

   のか、また、輸入する場合には関税、輸送費はどの程度かかるのかを事前に検討しておく必要があります。    更に、採用可能な人材のスキルレベルも重要です。操業開始後の人材育成計画も考慮する必要があり

   ます。   (4)採算性    (1)~(3)の調査結果を踏まえて、海外事業(子会社設立や合弁会社設立)の採算性、投資回収可能性

   を判断する大まかな事業計画を作成します。

    日本本社との取引関係(輸入部品の仕切り価格や技術移転のロイヤリティ支払いなど)も考慮する必要が

   あります。事業立ち上げのために日本から人材を出張、出向させる場合にはそのコストも織り込んでおく

   必要があります。     また、投資資金(資本金と借入金)について誰がどこから調達するのかを検討することも重要です。

   特に合弁会社の場合には、あとあと現地パートナーと揉める要因にもなりますので、この段階でしっかりと

   検討する必要があります。

FSというと(4)の数値計画が重視されがちですが、(1)~(3)までの事業の前提条件をしっかり調査した上で計画を作成しないと、絵にかいた餅になりますので、必要に応じて外部専門家を起用して効率的・効果的に進めましょう。

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中小企業の海外展開、海外子会社・ジョイントベンチャーなどのグローバル経営について、海外進出の初期的な検討(フィージビリティスタディ、事業計画作成)から進出後の経営戦略、組織運営、人事管理、財務管理など様々な課題に至るまで一貫した支援を行います。

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