• Tommy Nagayama

グローバル経営は何故うまく行かないのか(人材マネジメント1/2)


 経営管理の仕組みや組織をつくっても、事業環境も言葉・文化も異なる海外子会社と本社間での連携を円滑に進めていくためには、国境を越えたグループ内での事業上の課題解決を推進できるグローバル人材を育成することが必須です。初期の段階では日本から海外子会社へ出向する人材をキーマンとして運営する形をとりますが、グローバル事業の成長とともにローカル人材の経営幹部への登用も必要になってきます。

海外駐在員は必要か?

 海外進出する際に現地での事業の立ち上げ、特に経営指導、技術指導などで日本から駐在員を派遣するのは、少なくとも初期段階においては必須です。このことを否定する訳ではありませんが、多くの日本企業は必要以上に日本人を現地に派遣しているように思わます。

人材の現地化が進まない理由(言い訳)は次のようなものです。 (1) 新しい技術や事業の展開で、日本からの経験者の派遣が継続的に必要。 (2) なかなかマネージャークラスの人材が育たない、あるいは定着しない。 (3) 日本人を置いて監視していないと不安だ。信頼できる現地マネージャーがいない。 (4) 海外と言っても、お客さんも現地にいる日本人なので、日本人で対応する必要がある。

 一件もっとらしい話ですが、(1), (2)については、ローカルスタッフの育成、権限委譲が進んでいないということが最大の課題です。従業員の離職についても、給与への不満などの理由もあると思いますが、より重要なのは、彼らにとってこの会社で仕事を続けることによるキャリアパスが見えているか、あるいはキャリアを高めるのに必要な職責が与えられているのか、といったモーティベーション面を考えて行くことが重要です。

 (3)については、日本の本社側の問題でもあります。連絡将校(リエゾン)をおかないと現地のことがわからないというのは、本社側のグローバル経営管理の仕組みができていないと認識すべきです。現地への権限委譲とレポーティング(何を本社に報告するか)の仕組みを早急に構築する必要があります

 (4)は一見やむを得ないように思われますが、顧客もグローバル化が進むにつれ、顧客の海外子会社も現地化して来るのは時間の問題との認識をもっておく必要があります。日系企業の海外子会社の調達担当が現地スタッフのみという会社も増えてきています。

 かつて、ジャック・ウェルチはGEのグローバル化を進めるため、アメリカ人の海外駐在員を削減しました。その効果は二つあったといいます。一つは現地スタッフの昇進を早められたこと。もう一つは、コスト削減できたことです。海外駐在員の派遣費用は非常に高くことにも留意する必要があります。

グローバル人材の育成

 海外事業立ち上げ時期に、ローカルスタッフを日本本社への研修に派遣したり、日本から駐在員を派遣して現地で人材育成を行うことは、多くの日本企業で行われています。問題は次のステップで、ローカルスタッフのマーネジャや経営幹部への登用がなかなか進まないケースが多く見受けられます。これは前述の駐在員依存体質によるところも大きく、ローカル人材の育成を長期的な視点で取り組んでいく必要があります。以下に例示するような育成方針、プログラムが参考になると思います。

・海外子会社の幹部候補生を本社に出向させて、会社の経営理念、戦略、事業の仕組みを深く理解してもらうとともに、本社側とのコミュニケーションの円滑化を図る。

・海外子会社の幹部候補生を集めたリーダーミーティングの定期的に開催し、本社の経営方針や事業戦略への理解を深めてもらう。

・本社からの権限委譲の明確化により、子会社幹部が自律的に経営判断をできる仕組みをつくる。

・ローカル幹部の報酬(インセンティブプラン=業績賞与)を、会社の経営戦略、目標に沿った形で設計する。

 また、人材育成とともに現地での有能な人材の獲得も重要です。欧米をはじめとして海外では日本よりも労働市場の流動性が高く、優秀な人材はよりポジションの高い仕事を求めて転職するため、既存の人材の流出を防ぐと同時に新規の人材登用も重要です。事業を成長させるためには、M&Aによる優秀な人材確保という選択肢を考えてみても良いでしょう。個別の採用はできても、まとまった事業・組織として人材を確保するにはM&Aという手法が有効です

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