• Tommy Nagayama

グローバル経営は何故うまく行かないのか


 昨年中は事業承継、M&Aを中心にブログを書いてきましたが、年が変わりましたので、ブログテーマも一旦、衣替えして、今月は「グローバル経営」に焦点を当ててみたいと思います。

 国内市場の成熟化に伴い、日本企業のグローバル化にも拍車がかかっており、近年では大企業に加えて、中堅・中小企業の海外直接投資も大幅に増加しています。経産省の統計データによると、最近では、中堅・中小企業による海外投資の増加率が、大企業を上回っています

 日本企業のグローバル化に伴い、企業の利益の多くを海外事業で稼ぐ時代になってきています。このため、海外事業の成否は企業経営に大きな影響を及ぼす状況になっています。一方で、海外M&Aの失敗による巨額の減損損失、海外子会社における不正の発覚などの経営に重大な影響を及ぼす事態や、現地とのコミュニケーションがうまくいかないといった事業運営上の悩みなど、多くの課題を抱えているのが実態です。

 グローバル経営の難しさは、国内事業とは異なり、地理的な距離の遠さ、言葉・文化の違い、制度・商習慣の違い、競合環境などの事業環境の違いなど様々な要因があります。これらの要因は国による違いも大きく、グローバル・ビジネスの難しさの理由でもありますので、すべての国に共通する処方箋があるわけではありませんが、「グローバル経営がうまく行かない理由」は、会社経営の重要な切り口から共通化できるものです。まずは、この切り口(課題の存在する領域)を理解した上で、それぞれの国、業種などに応じた個別の対応を考えることが、問題を未然に防いだり、問題の拡大を抑ええるために役立ちます。そうしないと、問題が発生する都度、闇雲に個別の解決策を模索するという非常に労力がかかり、且つ、効率の悪いグローバル経営に陥ります。

 「グローバル経営がうまく行かない理由」を、以下の5つの分野に括って考えてみましょう。おそらく、海外子会社、合弁会社、M&Aで買収した会社などの経営に関する課題の大部分は、この中に集約されているのではないでしょうか。

(1)ビジョンと戦略がない

 そもそも何故海外に進出したのか理由が明確ではないケースがあります。「社長の号令だから」とか「取引先も海外に進出したから」といった理由で、海外事業の採算性もよく考えずに進出するケースがこれにあたります。 また、合弁事業などでは、事業を進めるうちに当初の合弁の目的と合わなくなり、合弁を解消したい、といったケースもよくあります。この時に、合弁契約解消の条項が曖昧で、解消まで何年も合弁パートナーと揉めるというケースも事例としては少なくありません。

(2)グローバルに事業を経営する組織体制がない

 海外子会社の事業方針、計画、戦略などの重要事項について日本の本社側で支援したり、統制したりする部署が存在しないケース。「社長直属」といえば聞こえは良いが、実態は放置状態ということもあります。  これとは逆に、日本の本社の各部署から海外子会社に細かい問い合わせや指示が毎日のように入ってきて、誰も交通整理をする人がいないので大混乱といったケースもあります。どういった組織体制で海外事業を運営するかという点をよく考えないと指揮命令やコミュニケーションがバラバラになり、統制不能の状態に陥ります。

(3)グローバルに事業を経営するガバナンスの仕組みがない

 海外で買収した会社を子会社として運営しているが、買収前からの現地経営者に任せっきりで、日本の本社は現地で何が起こっているかよくわからないケースがこれにあたります。突然、赤字になったが、日本側では誰もその理由がわからない、どうも不正が起こっているようだとのうわさが現地から聞こえてくる、など全く日本側では現地の経営を理解せず、統制もできていない、といったケースがあります。

(4)グローバルな人材マネジメントができていない

 現地採用のマネージャを雇ったが、引き抜きにあって業務に穴が空いたといったケース。急遽、日本から駐在員を派遣して穴埋めしたが、派遣されたばかりの日本人では現地事情もよく変わらず却って事態は悪化した、などということも起こります。 また、現地スタッフの育成やキャリア形成などについても本社側が明確な方針をもっていないケースが多くあります。

(5)グローバルな業績評価の仕組みがない

 現地スタッフのモチベーションを上げるための業績評価の仕組みがなく、幹部の離職も絶えない事態が続くケース。慌てて、予算達成を目標とした業績連動ボーナスを導入したが、今度は、現地から毎年提出される予算が非常に低い目標に設定されてしまい、必ずボーナスが満額もらえるような数字した出てこなくなった。このような業績評価に関する問題は非常に多くの企業が抱えている悩みだと思います。

次回以降、それぞれの項目について、「うまく行かない理由」を深掘りするとともに、採り得る対策を考えてみたいと思います。

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