グローバル経営(実践編7)サクセッションプランを考える
サクセッション・プラン(Succession Plan)とは、会社の重要ポストについて、後継者の選定・育成計画を作成することです。国内でも最近では、企業の事業継続性といった観点から重視されて来ています。また、後継者難に直面する中小企業にとっても、事業承継を行うための最重要課題でもあります。 一方で、米国をはじめとする海外企業においては、もともと経営幹部の流動性が非常に高いことからサクセッション・プランを作成することは、必須要件であり、会社経営における最重要事項として積極的に取り組んでいます。GEのカリスマCEOであったジャック・ウェルチの自伝(「ジャック・ウェルチ-わが経営(Straight from the Gut)」を読むと、彼が3人の後継者候補の中から後継者を決めていく過程が描かれていますので、具体的なイメージが沸くかと思います。 我々、日本企業が海外に進出し、海外子会社で現地採用者を経営幹部に雇ったり、内部昇格させた場合にも、サクセッション・プランを準備することは重要です。突然の経営幹部の退職に、慌ててヘッドハンターをつかって後任を採用し


グローバル経営(実践編6)インセンティブプラン
経営幹部の人材に対して提供する業績連動報酬をインセンティブ・プランと言います。 マネージャークラスだとインセンティブプランは、年1回もしくは2回支払うボーナスと考えておけば良いと思います。短期インセンティブともいわれます。 一方で、経営トップに近い人材については、通常、長期インセンティブが提供されており、これは1年を超える会社の長期業績に連動したボーナスになります。典型的な長期インセンティブはストックオプションです。会社の業績が上がり、株価が上がれば、経営幹部が手にするインセンティブも増えるということで、株主と従業員(=経営幹部)の利害を一致させることにより、より高い業績を目指してもらおうという趣旨です。同時に長期インセンティブには、自己都合による退職を抑止する効果があります。長期インセンティブの対象期間中に退職してしまえば、報酬が受けとれないためです。 日本企業は経営幹部人材の流動性が極めて低い特殊な社会なので、なかなかこういったインセンティブ制度が普及しませんが、海外で子会社を運営し、現地採用者を経営幹部に任命する場合には、重要な検討事項にな


グローバル経営(実践編5)グローバル戦略と組織
海外子会社を活用して海外ビジネスを円滑に展開して行くためにはいくためには、どのような全体戦略(グローバル戦略)を採るべきかということから考えることが重要です。自社の事業の実態にあった事業戦略を選択し、これをもとに最適な海外子会社経営を目指します。

